片想いをしていました。
ずっと昔の話です。
別れた後の片思いです。
“恋”ではなく“愛”という想いです。
貴女となにかをしたいという気持ちではなく、
まして、もう一度僕のもとに戻ってきてほしい
という気持ちでは決してありません。
只単に貴女を想っています。
全く貴女が見えないのならば楽だったのに、
こんな僕にも貴女は、話しかけてくれます。
ドライブに誘ってくれたり、みんなで鍋を囲ったり…。
でもそれ以上は何もなく…。
貴女は必要としない僕のこの想いがあふれ出て、
どうしようもなく、目の前にあった大学の課題の裏を
壁に貼り、下書きもなしにパステルをぶつける。
次第に課題の裏は想いが初めて形になって現れる。
周りはパステルの削りかす紛れ、僕は洋服も指も顔もカラフルに。
出来たのは、今まで描いたことのない“人型”の絵。
意識はしていなかったが、きっとこれは僕の心の死神だ、
僕を殺すのではなく僕の“心”を僕の“想い”を殺す死神。
その後、全く連絡も取ることなく10年が経つ。
なぜか最近貴女の夢をよく見る。
絵を描く情熱を与えてくれた貴女は
僕の全く知らないところで、知らない素敵な人と
そろそろ結婚して、子供も生まれている事でしょう。
お幸せにね♪
心からそう想う。
omoi
タイトル:OMOI
※この絵は前述の絵ではなく、改めてアクリル絵の具で描き直した絵です。