あの子が星を見たいって言っていた。
4人で仕事をしている職場で。
誰に言っているのかは解らない。
ちょっと町はずれ、車で30分くらい。
人気のない隠れた名所。
昨日行ってきて、とても綺麗だから
今日もまた見たいんだって。
無邪気に話してた。
僕は、今日も夜中まで仕事。
自分のため、世のため、あの子のため、
のつもり。
誰かに言っているのか。独り言かも解らない。
わがまま言っているのかと相手にしなかった。
それからまもなくあの子は一人で帰った。
そのまま僕は仕事を続けて夜中の12時05分
ようやく気がついた。
あの子はちょっと一息ついて
星でも見に行こうって言ってくれたんだ。
あの子が見たいんじゃなくて
僕に見せたかったんだ。
とても綺麗だよって。
あなたの優しさに気づけない
僕は馬鹿です。
ごめんね。
アリガトネ。
窓03
タイトル:窓03